僕のとなりで。
トイレで一息ついていると、カズヤが入ってきた。

『ユウじゃないけど、ほんっとに待たせたよな。サヤカちゃんも、皆も。引っ張りすぎだから。』

カズヤには、謝ったり、礼を言ったりしなきゃいけないと思ってたし、ヒトミとのことも気になってた。

『ありがとう。カズヤが動いてくんなかったら、俺、未だにコクってないかもね。ヒトミまで巻き込んでごめん。』

それを聞いたカズヤが、笑いながら答える。

『俺が勝手にシビレをきらしただけだし、ヒトミだって、昔から俺達と一緒にいるんだから、理解してるよ。あの日、ヒトミと帰ってから、“リョウスケって乙女だよね”て言ってたよ(笑)。“自分のこと好きかな…なんて考えるより、男なら、まずは行動あるのみ!当たって砕けてななんぼでしょ!”てさ。俺は、ダンナをもらった気分だったねぇ~(笑)。』

ヒトミらしいセリフだ。
子供ができてからのヒトミは妙に大人しくて、らしくないって思ってたけど、男らしさは健在らしい。

『付き合うまでで、すんげぇ~疲れたけどね。』

仲間のためなら当たり前…と言いたげなカズヤの言葉が嬉しかった。

『お前に好きなコなんて、二度とないんだから大事にしろよ。』

カズヤの言葉に黙って頷いた。
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