僕のとなりで。
車に乗って化粧を始めるサヤカが、話し始める。

『あのさぁ…。』

『ん?』

『ごめんね。』

『なにが?』

アラームをセットすることが習慣にない僕。

“送ってあげる”と言っておいて、こんなギリギリになってしまったから、逆に、サヤカに謝らなきゃと思っていたのに、なぜか謝られる。

『普通さぁ、彼氏の家に初めて泊まった時とか、朝ご飯くらい用意するよね。むしろ、慌ただしく送らせてるし…。』

『え?朝飯?なんで?別に、気にしなくていいんじゃない?
てか、俺だって、送ってってやるって言ったのに、こんな時間まで寝ちゃったし。ごめんなさい。』

それを聞いて笑い出すサヤカ。

『気にしなくていいんじゃないって、なんか、スッゴい人事のように聞こえるんだけど(笑)
でも、そう言うなら気にしない!
てか、リョウくんこそ、別に気にしなくていいんじゃない(笑)?』

この時、感じた。


―サヤカとは、多分ずっと一緒にいるんだろうな…―


根拠なんて無いけど、なんか素直なサヤカを見ていて、そう感じた。

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