僕のとなりで。
『ダメ!あたしが、もう少しリョウスケくんと話したいんだぁ。イヤ?』

珍しく僕の言葉に退かない。

なんで?

『サヤカ…さんは、普段は何してんの?』

僕の質問に真っ先に反応したのは、いつものメンバーだった。

『珍しいぃ~!リョウスケから初対面の人に話し掛けてる!何?何話してんの?!』

マジでうざい…。

『いいからチトセは前向け。アサミちゃんの話の続き。』

カズヤがフォローを入れる。

『そんなに珍しいの?じゃあ、あたしは少し特別なんだね!すぐ友達として受け入れてくれるかな?』

サヤカの言葉は、いちいち引っ掛かる。

普段は、初対面の女の子が“特別”なんてこと言っても“あっそ”てカンジなのに、不思議とイヤじゃなかった。

でも、恥ずかしいから返事はしない。

『まあ、確かに珍しいけど、さっきサヤカさんが言ったんじゃん、20代で最初の日の出が特別だって。だから、ちょっと頑張ってみようかなと…。』

ムリな言い訳。

『そぉだよね!うん、イイ思い出にしたいしね!じゃ、いっぱい飲んで、いっぱい騒ごう!』

そう言って酒を僕に渡し、2人でカンパイした。
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