僕のとなりで。
その日から、サヤカとの生活が始まった。

とりあえず、先立つ物がない僕達は、僕の“親の家”で生活していた。

『サヤカって、家にいたくなくてバイト掛け持ちしてたの?』

一緒に生活を始めて、数日経ったある日。

僕達は、2人で結婚式場のバイトに向かう車内にいた。

『うん、そう。でも、バイトしてたら、リョウくんが後から入ってきたり、お金貯まったりで、イイことばっかりだよ(笑)』

家に住み出してから、ようやく“素”のサヤカを知った気がする。

サヤカは、いつも笑顔で、自分以外の人間を、自分のことのように想える優しいコ。

僕が知ってたのは、たったそれだけだったみたいだ。

実は、笑顔を作る時は、サヤカがめちゃくちゃ気を使っている時だったり、家族や仲間のために犠牲になれたり、大人っぽいと思ってたけど、実は、凄く無邪気だったり、素直だと思ってたのは、実は、天然だったり…。

言葉にしきれないくらいのサヤカを知って、今まで以上にサヤカを可愛く思えて、改めて好きになってた。

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