【更新停止します】ツンデレ男子捕獲作戦☆
驚いた表情であたしを見る樹くんは、「なに、言ってんだよ」と呟く。
いやいや。こっちのセリフですよ。
「行かないと。助けてって言ってたじゃんか。樹くんにしか助けられないことなんじゃない?」
「……あいつとはもう関係ない」
「あるよ!」
ずいっとあたしは顔を寄せ、熱弁した。
「結果がどうであれ樹くんは優里さんのことが好きで、付き合ってたんでしょ。大切だったんでしょ!?大切にしてた人が今、危険に晒されてるかもしれないでしょうが!!」
「……」
「……だったら……だったら、行かなくちゃ」
「……俺が行ったらお前はどうするんだよ」
「……」
樹くんのその問い掛けに、あたしはとっさに答えることができなかった。
一緒には行けない。
樹くんと優里さんがもしもこのままうまくいってヨリを戻すならばあたしは邪魔な存在…ってかっこつけてみたけど、要はあたしが行きたくないだけ。
二人の仲良さそうなところは、見たくない。
だからあたしは、
「待ってるよ」
ハンバーガー一緒に食べたいし。
……こう言えば、樹くんは早く帰ってきてくれる。例えヨリを戻しても。
樹くんの優しいところにつけこむあたしは、最低だ。自分でもそう思う。
だけど最後に思い出作りくらいいいと思う。
まあ、ヨリをもどしたらって話だけど!うん!
「待ってるよ!」