【更新停止します】ツンデレ男子捕獲作戦☆
数分後、校舎裏まで来たあたしたちは向かい合って立っていた。
「――――――で、」
「…」
「樹と何があった?」
唯は真剣にこちらを見てる。
いつものテンションなんて全く、感じられなかった。
あたしは慎重に、丁寧にあの日あったことを話しだした。
「あの日……樹くんに引っ張られたあと、樹くんに『俺のことほんとに好きなの?』みたいなことを聞かれて、当然『大好きだよ』って言ったんだけど……『じゃあ観覧車のアレは何?』って言われて」
「……そーいうことか……」
「??何が?」
唯はため息を吐いて、「……てことは…うわぁ……これは…」とぼそぼそ小声で呟き、顔を両手で覆ってしまった。
「……で、樹は『唯とキスしてただろ』とか『女なんか信じらんない』とか、言ったんだろ多分」
「え、何でわかっ……」
「やっぱな……こりゃやべえな」
ああもうどうしよう、やらなんやら唯が項垂れる。どうしたんだろう。
しばらく待っていると、唯は決心したようにあたしの目を見てこう言った。
「……あの作戦っていうのがさぁ、樹のいた角度から見て俺らがキスしてるように見せたんだよ」
「は?」
「だから……観覧車のゴンドラの位置的に、俺とお前がキスしてるように見えたんだよ、樹には」
「……え、え?!もしかしてあの、コンタクトがずれちゃった時の…」
「そう」
「……」
そうだ。
唯はあの時あたしの目をみるために近づいた。
それが樹くんにはキスしてるように見えたんだ。