【更新停止します】ツンデレ男子捕獲作戦☆
ここにあるものと言えば、男の座る椅子とあとテーブル、灰色の壁くらいで目立ったものはない。道具がないからやっぱり逃げられない。
せめてもの抵抗でぎっと男を睨む。
「そんな目しないでよ、可愛いなあ」
「ひ、っ!?」
男がテーブルに紅茶を置き、あたしのもとへ歩を進め、ぎゅっと抱きしめてくる。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!
「…良い香りだ」
何を言ってるんだろうこの変態。
気持ち悪い。そんな感情しか生まれてこない。
「ねえ、しずく?あの下衆は、誰?」
「………」
「答えないの?まあ、いいけど。どうせもうすぐ来るし」
「樹くんが!?」
「……イツキ?」
――――――――――――あ。
やってしまった、と心の中で思った。
男の目が爛爛と光る。それと同時にぎょろり、と奴の黒目が動いた。
怖い、と初めて感じた。