桜思い出す頃
12章
若菜が帰ってきて、1ヶ月が経って、若菜はまだ何も話していない。



でも、若菜は親族の助けもありまた、学校に来るようになった。



「ねえ、みんな今日時間大丈夫?」






若菜は決心したような顔でまっすぐみんなの瞳を見て言った。





みんなも決心したようで、大丈夫と答えた。






放課後になり、若菜を含め7人で大志の家に居た。






「……。」


「……。」




沈黙が続く。




「……。」




「みんな、今までごめんね?」




若菜が沈黙を破り喋り始めた。




「私の家はね、父のが作った借金を返すような日々だったの。父は私と母を置いてどこかに消えたけどね。


父は勝手に家を担保にしてお金を借りていたの。
だから、家も無くなったの。


みんなが、探すだろうとおもっていたから手紙を工事のおっちゃんに渡したの。


探しても見つかると思ってなかったから。


こんなこと、恥ずかしく知られたくなかった。だからみんなに黙ってみんなの前から姿を隠したの。



見つかっちゃったけどね




みんな、本当にごめんね?」




若菜は泣きながら、時々辛そうな顔を浮かべながら話してくれた。





葵と夏蓮は若菜の手を握っている。



男は、黙って若菜の話を聞いていた。





「話してくれて、ありがとう。」







若菜も泣いているし、ここは女だけにしようと思い男は部屋を出た。









「若菜やっと話してくれたなー」



大志の部屋を出て今はリビングで大志が話している。



「そうだな。相当辛かっただろうな。」




翼も心配みたいだったからな





「でも、帰ってきてくれてなによりだ」





海聖も本当に嬉しそうだ。





「みんなごめん。もう大丈夫だよ」




若菜が呼びにきてくれた。




でも、もう時間も時間だから帰ることになった。






「若菜、明日話がある。」




若菜は何か察したようで、頷いた。







次の日


若菜と俺は学校が終わり次第、近くの公園に向かった。





「若菜。ごめんな。本当にごめん。


若菜の苦しみも辛さも何も分かってあげれなかった。



もう、彼氏失格だな」





「……だよ」





「えっ?」






若菜は頬を赤めて言った。












「好き…だよ」








正直びっくりした。



と、同時に、嬉しさと罪悪感が込み上げてきた。




俺が若菜を好きなのは事実だが、
傷付けているのも事実。







だから、正直どうしたいいかわからない。









でも、後悔だけはしたくない。










「若菜。」







「ん?」






可愛いなおい。







「改めて言うし恥ずかしいけど、俺は若菜が好きだ。



俺と1から始めてください。」








若菜は泣き始めてちょっとびっくりした。






「ありがと。私も大好きだよ。


私のほうこそ、これからまたよろしくお願いします。」





「もう…絶対離さない。


俺は、もう若菜が居ないとダメみたいだ。」






「わ、…たしも。」






俺たちは、この日改めて、二人の愛を確かめあった。
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