伊賀襲撃前夜
「成葉ーっ!」
「祥之介ぇ〜っ!!!」
成葉は出せるだけの声を張り上げた。
「成葉っ!」
走りに走ってようやっと成葉の元に駆け付けた祥之介は、直ぐさま刀を抜き、甲賀者を切り伏せる。
次々と甲賀者を倒していく祥之介に恐れをなし、事の成り行きを見ていた弓部隊はさっさと引き上げて行った。
「どうせあの傷では、夜明けまでに織田には辿り着けまい。我等も戻るぞ」
残った甲賀者も戦うのを止め、引き上げて行く。
祥之介は甲賀者を追わず、成葉に駆け寄った。
< 21 / 25 >

この作品をシェア

pagetop