ホストの憂鬱
愛はメールをみるなり、俺のほうを見た。冷たい眼と言うより、悲しい眼だった。

そして、おもむろに立ち、チェックした。

俺は一度も愛に着くことが出来なかった。

愛を送るために、足早に去ろうとする愛を追いかけた。ありがとうございました。と言い。

エレベーターの中の愛はふて腐れた顔をしていた。

「ごめん」それしか言えない。

「いいよ、わかってるから」

言葉と裏腹な表情…

俺はちいさな愛を力強く抱き寄せる。愛も力強く抱きついた。

愛は俺の眼を見つめて言った。

「浮気はだめよ」

「わかってるよ」
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