ホストの憂鬱
俺が家に入ると同時に愛が泣きそう顔で抱きついてきた。

「浮気しなかった?」か細い声できいてきた。

「してないよ」と、俺は抱きながら玄関からベッドまで愛を連れていく。

愛は俺の愛情を確かめるように求め、俺もそれにこたえた。

「なあ?」

「何?」

「この着信履歴凄いんだけど」

と、俺が携帯の液晶をみせる。着信履歴二十件、全て愛と表示された携帯。

愛は何もいないって顔をしたけど…

「だって心配だったんだもん」とおどけて言った。

俺はボソッと一言つぶやいた。

「信用ないなぁ」

愛はクスクス笑って、俺におやすみのキスをした。
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