ホストの憂鬱
俺が物思いにふけっていると知は「王手、飛車とり」と言った。

「うわ、待った」

「待ったなしだろ」

これは投了だな。

おれはコントローラーをしたにおき、情報誌をくいるようにみた。

店名ムーン、給料十八万、電話連絡の上、面接と言う情報がめにとまった。

数ある飲み屋のなかから俺はムーンと言う響きがきにいったのだった。

「知、ここにしようや」

知は俺の指差す情報に目を向けた。

「いいよ」

簡単だな。こいつはどこでもいいんだろう。

そういうと、知の行動のはやさには感心する。

「もしもし、情報誌見て電話しわました。はい。二人なんですが。はい。わかりました」

と、いった具合に電話をかけていた。本当に知の行動力はうらやましいぐらいだ。
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