ホストの憂鬱
みくさんは吐息を一つはいた。

すべてを整理して、すべてを吐き出した吐息だった。

「キョン、まえと同じだよ」と言った。

前と同じ…

それは、おろすことだった。

みくさんは前にも同じことを相談してきたことがあった。

俺とみくさんがまだ友達でなんの垣根もなく、遊んでいた中学時代。

そのときも、みくさんは妊娠した。

相手は俺の友達だった。

あの頃は悪さのかぎりをつくしたかのような気持ちのガキで、みくさんにとって気まぐれのセックスでできたこども。

みくさんは涙を浮かべ、笑顔を無理矢理つくって言った。
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