ホストの憂鬱
だけど、決して言えない。
それは…
みくさんは…
ガクさんにとって大事な客でしかないから。
ガクさんの中にみくさんへの愛情がないから。
俺はなにも言えない。
言えないんじゃなくて言わない。
もうぼくじゃないから。
もう、みくさんの友達じゃなく、流れ川のキョンだから。
みくさんは黙った俺を見て言った。
「このことガクには言わないで」
「また、消えるの?」
「消えないから、おろすの。わたしにもわかってる、ガクにとってわたしは色恋の客でしかないことぐらい」
そう言って、みくさんは店をでて行った。
ガクさんが来る時間になるまえに。
この時に気付いたんだ。
俺は飲み屋で大切なものが何かわからなくなっていることに。
それは…
みくさんは…
ガクさんにとって大事な客でしかないから。
ガクさんの中にみくさんへの愛情がないから。
俺はなにも言えない。
言えないんじゃなくて言わない。
もうぼくじゃないから。
もう、みくさんの友達じゃなく、流れ川のキョンだから。
みくさんは黙った俺を見て言った。
「このことガクには言わないで」
「また、消えるの?」
「消えないから、おろすの。わたしにもわかってる、ガクにとってわたしは色恋の客でしかないことぐらい」
そう言って、みくさんは店をでて行った。
ガクさんが来る時間になるまえに。
この時に気付いたんだ。
俺は飲み屋で大切なものが何かわからなくなっていることに。