ホストの憂鬱
どうやら愛は京都に来たかった理由はそのお寺にあったみたいだ。

「先にそこに行ってからチェックインする?」

とぼくは尋ねた。

チェックインするには時間がはやかったし、なにより愛は落ち着かないように見えた。

初旅行なのだから無理はないのだけど。

愛は一つ返事だった。

「先に行こうよ」って、とても無邪気に言った。

俺の眠気もすでにピークをとおりこしていたから、俺達は願いの叶うお寺に向かった。
< 128 / 134 >

この作品をシェア

pagetop