ホストの憂鬱
俺達はいらっしゃいという思いがけない言葉で向かえられた。

俺達の顔は、いらっしゃいと言うフランクな言葉とは裏腹に真顔になっていた。

正直、頭の中が真っ白になってしまった。それを見透かしたように、いらっしゃいと言葉をかけた人物が嘲笑した。

「どうぞ、入って、奥にオーナーがいるから」そういうと彼は俺達を奥の部屋に案内した。

「はい」

それしか言えない自分が情けなく思えた。相手は緊張をほぐそうとしてくれたのに。

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