ホストの憂鬱
挨拶を終えると、彼は黙々と店内の準備に取り掛かっていた。

内心、挨拶だけ?と思った。自己紹介もない。俺と知はただ、たたずむことしか出来なかった。

ほどなくして昨日、事務所の右側に座っていた人が入ってきた。

「それじゃ名前は?」

彼は昨日言ったことをそのまんま言ってきた。

「キョン」

そうこたえた。

「俺は針生「はりゅう」一応、マネージャーしてます」そういうと彼は握手を求めてきた。

おれは握手にこたえた。しっかりと力ずよく握りあい「よろしくお願いします」と、言った。

針生さんは見た目は、はっきり言ってホストぽくなかった。

なぜなら、メタボだからだ。だけどこの人のすごさを知るのにたいして時間はかからなかった。

< 20 / 134 >

この作品をシェア

pagetop