ホストの憂鬱
そもそも俺がこの世界に足を踏み入れたのは八年も前になる。

動機もいたって単純だった。

自分のルックスに多少なりと自信があり、俺のうわにナルシストの友達と、新たな職さがしで、決めたのだった。

それに決定的な一言があったから。

その時に好きだった女の子の一言。

「飲み屋って、カッコイイよ。だから待ってて」

その一言は決定的だった。

待っててと言うのは、飲み屋に入る前に、スキー場でバイトをしていて、その女の子と知り合い、シーズンが終われば逢いにくるという意味だった。が、結局、その女の子はお店に一度もくることはなかった。

今となっちゃ、どうでもいいことだけど。
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表紙・目次

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