ホストの憂鬱
一人の女の子が俺達のボックスの前にやってきた。

とても小柄で童顔な顔をしている。なにより目が大きくて、俺のタイプだった。

「ママ、佐藤様がおよびですよ」と彼女は言った。

「そう、それじゃすぐにいくわ」と言い、俺の顔を見た。

「ふうん、キョンは愛ちゃんがこのみなんだ」

「えっ、うっ」

俺はおもわず、口につけていたグラスで前歯をうった。

「愛ちゃん、ここお願いしますね」

「はい」

麗子ママはそういうと、ご馳走様といい、乾杯をして、二階に上がって行った。

かわりに愛と呼ばれた女の子が俺の隣に座った。
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