ホストの憂鬱
俺は本当に運がいいと思った。

何故なら、愛ちゃん、俺、の確率がたかいのだから。

カウンターの上に焼酎の空き瓶が二本ならんでいた。

俺は吐き気をもよおし、トイレに直行した。

一通り胃のなかみをはきだし、顔を両手でパンっと叩き、戦線に復帰した。

結局、カウンターの上に空き瓶が三本になったところで朝の七時になり、オーナーのラストソングとMCを聞き終える。

やっと一日が終わりをつげた。

俺とオーナーは一緒に麗子ママ達をビルのしたまでおくり届け、一緒に店に戻った。

エレベーターの中でオーナーは言った。

「キョン、頑張ったな。明日もお客、連れてこれるといいな」と。

優しい口調ではあったが紛れも無くプレッシャーをかけていることがわかった。
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