ホストの憂鬱
針生さんは俺達をみると、笑顔を見せた。そして連れてきた女の子に俺達を紹介した。

女の子はちらっと見ると何も言わず、真ん中あたりに座った。

態度が悪い、そう思った。

女の子が針生さんに言った。

「なおはキャッチか、先輩なのにね」と、なおさんを馬鹿にしたような口調で。

針生さんは真顔でこたえていた。

「しかたない。客を連れて来れない、なおが悪い」

それは俺達にむけた言葉だとすぐにわかった。

優しくとればこれからも頑張れという。
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