ホストの憂鬱
表情をくもらせたのは彼女だけじゃなく、俺も聞いてはいけないことを聞いたことがすぐにわかり、表情をくもらせてしまった。

俺は見抜かれまいと続けて聞いた。

「好きな芸能人は?」

「いけのめだか」

そう、俺はお笑いにつよくなく、イメージがわかない、それが決定的だった。

あえなく、オウンゴールで試合終了のホイッスルが頭の中で響き渡った。

それを見ていた政達が笑った。

笑われて当然だと思った。

だけど、針生さんの評価は違ったみたいで、すかさず政の前に行った。

「キョンは頑張った。君は笑いよるけど、話すと言う事が難しいと言う事はこっちにいないとわからない」

そう言って、戻ってきた。

政はうたれよわい、だからどんよりした雰囲気が漂っている。
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