ホストの憂鬱
俺は愛ちゃんと余り、話しが出来なかった。

二人の目が輝き、俺達の会話を一部始終観察しているような気がして。

ケーキを食べ終えると、俺の携帯がなった。

るみからだった。

用件は今から行くからと言う事だった。

「オーナー、今からお客さんがくるみたいなんで先に戻ります」

「了解、がんばれ」

俺はうしろがみひかれる思いでジュリアを後にして店に戻った。

お店には知や政の姿はなく、針生さんとガクさんの姿しかなかった。

針生さんは見た事もない客に接して、ガクさんはみくさんに接していた。

俺はいつものように入口の一番近くのカウンターに席を用意した。

針生さんは真ん中、ガクさんは奥側、オーナーは一番奥、みんなセットするところが決まっているみたいだ。

オーナーは店内を見通すためだろう。

針生さんは、俺達を助けるためだろうと思った。

俺はガクさんの隣でもよかったのだけど、みくさんの近くで接客する事にいささか、抵抗がある。

だから、一番はじにセットするようになったのだった。
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