ホストの憂鬱
九時になり、オープンの時間がやってきた。

いつもなら客足の遅いメンズのお店だけど、今日はオープンと同時に数人のお客が来店した。

俺にとっては新規のお客さんに近い常連客達だった。

「ロビン久しぶり。おめでとう」と来る客のほとんどが同じような言葉をならべた。

オープンと同時に店は満席となっていた。

これも初めてみる光景だった。

俺はあたふたする新人を横目に冷静に思った。

こんなにも知らない客がいたなんてと。

あたふたする新人の中に当然、俺も入っている。
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