ホストの憂鬱
だけど、俺達が本当にあたふたするのはもっと遅い時間になる。

オープンと同時にやってきたお客のほとんどは一般人、つまり、こっち側の人ではなく、OLとかの昼間に働く人達であり、みたこともない理由は飲み屋で遊ぶ事を卒業した、元常連がほとんどだった。

だからだろう。

俺の些細なそそうも、面白くもない会話も聞いてくれて、比較的に優しい。

ある二人組の女性が言った。

「由美もまるくなったわね」

「何よそれ」

「昔の由美なら焼酎直瓶か直缶させてたじゃない」

「アハハ、そうね。してみる?」

「いや、アハハ」と俺は苦笑いでごまかしたのだった。

この時、してと言われていたら俺に拒否する事はできない。

「冗談よ」と由美と呼ばれた女性いい、俺は再度苦笑いを浮かべた。

それは俺がお酒を少しテーブルにこぼした事からでた話しだった。

この事から俺は彼女たちが卒業したのだと推測したのだった。
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