ホストの憂鬱
二人で求人情報誌を見ながら、テレビゲームで将棋をさしている時だった。

「なあ、ゆみとは連絡してんの?」

知が不意に言ってきた。

「ああ、たまにね。メールだけだけど」

この時、ゆみの言葉を思い出し、求人情報誌の乾杯欄をめくった。

「おい、知、飲み屋で働こうや」

俺が知にそういうと、知の顔が一瞬、輝いて見えた。

こいつは大のつく、女好きだった。

「いいことゆうね、キョン、おまえ、好きな女以外興味なかったのじゃないの?」

そう言う、知の顔は、エロい親父に見えた。

「まあ、ゆみのすすめでもあるし」

「また、女のいいなりかよ。まっいいけど」

知がいいたいことはわかる。

長い付き合いだ。おれの性癖をしりつくしているのだろうし、学生時代に迷惑もかけた。
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