ホストの憂鬱
始めにロビンさんの隣についたのは知だった。

俺は未だに二人の女性を相手にしている。

「ねえ、さゆり、見て」と由美が知のほうを向いて言った。

「アハハ、もうすぐね」

もうすぐ?

俺はもうすぐと言う言葉が気になり、知のほうに目を向けた。

知は前後にふらふらしている。

「ほら」と由美が言った。

すると、知は力が抜けたように沈み落ちた。

「十時半かあ。早いわね」

「ほんと、由美、そろそろチェックしようか?」

「そうね。久しぶりにロビンも見たしね」

そう言うと彼女達はチェックした。

誰が送って行くのかと見回したけど、店内の状況から察すると、手の空いてるのは俺だけだった。
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