ホストの憂鬱
愛ちゃんは約束通り、閉店してすぐに駆け付けてくれた。

店内は深夜の二時を過ぎ、だいぶ、落ち着きを取り戻していた。

俺は愛ちゃんを入口側のすぐそばにセットし、案内をする。

そこはカウンターの入口だったからだ。

俺は愛ちゃんの飲み物を用意して、愛ちゃんの前についた。

そして、スタッフの入口から二人は誰にも見えないように手を繋いだ。

それが店内で、出来る精一杯の愛情表現だから。
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