付き合う→結婚

「新井先輩。
見送りはここまでで良いです」

家の門の前に来ると、土屋くんが言う。

「良いよ。
寮まで見送るよ」

「良くないです。
新井先輩を夜道を一人で歩いて帰らせる事になりますから」

「大丈夫だよ」

「危ないです」

「でも……」

一瞬で土屋くんの体温が体中に伝わる。

「お願いします……」

土屋くんが左の耳元で囁く。

「……分かった……」

って言うしかないじゃん……。

私は土屋くんの背中に両腕をまわす。
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