スキキライ 〜お嬢様の恋愛事情〜
第一話
勅使河原芽衣。
ごく普通な生活を送る、ごく普通な女子高生。
ごく普通とは言っても、そこらにいるごく普通な女子高生とは違いごく普通な恋愛はしない。
ただいつも通り学校で生活し、いつも通り過ごすだけだ。
「恋愛?んなもんしたことないけど」
と言うと、
「え!?それじゃ女として人生エンジョイできないじゃん!」
って言う。
恋愛の何がいいのか。
あんなものの何がいいのか。
ただ辛く苦しいだけの何がいいのか。
私には解らない。
解らなくていいのだろう。
そうやって否定しているにも関わらず、私はいつの間にか誰かに落ちてしまうのだろうか。
そう考えると、少し怖いものだ。
女というものは。
否定的でいい、私は。
優しくされるのは、嫌いだから。