ツンデレ男子

「…見なくていーの?」

声の主は紗南で


「ま、あたしの大活躍はぜんっぜんみてくれなかったみたいだけど?」
なんて不貞腐れてる


「あ、ごめん」
「嘘よ。
…いつまでそーやってるわけ?
あんたみてるとむかつくんだけど」

相変わらずの毒舌が心に刺さる


「平戸さん?だっけ?
取られてもいーの?」

…もう取られてるよーなもんだもん
なにも言えずに俯くあたし

しびれを切らしたよーに紗南はあたしの腕を掴んで歩き出した



「あ、紗南おかえり。」
「ただいま」
拓真くんのそばへ座り込む

「ほら、はじまるよ」


パァンッ

スタートの音が鳴り響いて各団の応援の声が湧く


はじめは悠太が2位をキープ
ちなみに7団構成だ。


200m×4の結構長いリレー
走り終わるとみんな少ししんどそう。


2番手3番手で遅れをとって4位。

そして、相模


「相模くんがんばってーーー!」
「相摸ーーー!!!」

みんなの歓声を浴びながら走る相模はぐんぐん前との距離を縮めて。

「あいつ早すぎだろ」
「やばい、かっこいー!」
なんて声もちらほら







パンパァン!


結果は、僅差で2位だった。


息を切らして汗をぬぐいながら戻ってきた相模に1番に声をかけたのは亜美ちゃんで。

「相模くんおつかれさま。
すっごいかっこよかったよ!」

「ん」
そしてあたしの横にすわった


< 31 / 43 >

この作品をシェア

pagetop