俺様男子に誘拐された件
陸side Ⅰ
○陸―RIKU―side○
6限目の授業を終えてから珠々を連れて教室を出た。
「あたし、もう道覚えたよ?!」
「あぁ、そうかもな、でも乗って帰れ」
「ちょっ、強引!!また誘拐する気?」
「誘拐なんか一回もやってねーっつの」
「あの時自分から誘拐って言ったくせに…」
「あ?なんか言った?」
「い、いえなにも…」
しぶといな今日は。
また襲われるかもしれねーってのに。
そう思いながらも珠々の手を引っ張りながら廊下をズンズン歩く。
「あの……」
「まだなんか言う気か?」
「ちがっ…あたしはそこまで鬼じゃない!」
「ちょっとは鬼ってことね」
「むっ………。もういいし。お礼しようと思ったのに……」
え、お礼?
「ふがっ!…ちょっと、急に止まらないでよ〜」
「お礼、してくれんの?」
「…………………」
首かしげて聞いただけなのに、
なんでこいつ…こんなに顔赤くなってんだ?
「し、し、しないしー。車乗るしー」
なんだその照れ隠し。
か、か、かわ………
いくねぇ~し別に。