俺様男子に誘拐された件
それから、あたしは陸を無視して颯爽と学校の準備をした。
「おい、ちょっと待てよー」
「朝あんなことするから悪いんでしょ」
「いいじゃんあんくら……ヴっ!」
「いってきます」
グーパンチをきめて清々しく登校。
「…てめぇ。道わかんねーだろ」
あ。
「……えっと……」
今更わかりませんなんて…
言えないわ。
グーパンチしてしまったからね。
「おい、謝れ。いてーんだけど?」
「い、痛いの?」
あれで?
ってか女子のパンチだよ?
体幹弱っ
「体幹弱とか思ってんじゃねーぞ。
全然痛くねーから。だけどよく俺様にグーパンチ?なめてんの?」
「いえなめてません。」
「じゃあ、謝れ。」
う………これだけは…
「早く謝れ。」
「ごめんなさい」
はぁ。
ダメだあたし。
謝らないと決めた決心はどこへ行ったことやら。