黒龍Ⅲ






その時、



「…ッ!?」



背中にそっと置かれた手。




…伊織…!?






勢いよく振り返ると、
そこには




「…っ、蛍…」




悲しそうな顔で
あたしの後ろに立って居る蛍の姿。





「"ダイジョウブ"」



悲しそうな顔をしているかと思ったら、
今度は温かい笑顔でゆっくりと口を動かす。



その笑顔が
さっきまでの伊織の笑顔と重なり、

あたしはまた涙を流す。




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