黒龍Ⅲ
「俺にも家族ができたんだ。
…早くお前にも合わせてえな…」
溢れる涙を拭って
振り絞った言葉。
誰が何を言っても翔司の返事はない。
「…翔司、
俺たちの時間は
過ぎたようで
本当は
あの日のまま
ずっと止まってるんだ
…」
いつか静かなこの空間が
明るくなることを、
みんなが笑顔になる日が来ることを、
俺たちは信じ続けられるのか
もう、分からなくなっていた…---
-壮樹side end-