黒龍Ⅲ
–––…
なぜか騒ついている倉庫。
嫌な予感がするのは、
きっと、体調のせい…
…
そう自分に言い聞かせ
ゆっくりと扉を開けると、
「…麗!!」
動揺した伊織が
すぐに駆け寄ってくる。
「闇天狗が…!
…黒龍倉庫に!!」
その言葉を聞いた瞬間、
ズキズキと痛んでいた頭が
さらに悲鳴をあげる。
…体調のせいじゃなかった
すーっと流れる汗は、
暑さからではなく
紛れも無い冷や汗。
「なんで…っ…」
体調の悪さに加え、
伊織の言葉にどんどん真っ青になっていくのが自分でも分かる。