黒龍Ⅲ
気づけばあたしと悠さんを囲む黒龍の仲間たち。
「っ、…総長…」
声の方へと視線を移すと、
「ずっと、待ってましたっ…!」
ポロポロと涙を流す竜聖の姿。
そして、
「馬鹿野郎っ!!
遅すぎる、どんだけ待たせるつもり?」
両目いっぱいに涙を溜める浩貴。
幹部以外のみんなも、
笑顔であたしを見つめる。
みんなの顔が見たいのに、
涙で良く見えない。
「…みんな、っ」
それに加え、
うまく言葉が出てこないあたしの背中に
悠さんは手を添える。