黒龍Ⅲ






そっと、触れてみると




「…え…、」




なぜか溢れる血。






…っ!?


「黒龍のピアスなんて、
 いつまで着けてるつもりですか?」


笑顔に戻った崎沢の手には
お父さんの形見のピアス。



「…っ、それは…っ!」


そのピアスだけは
誰にも渡したくなくて


あたしは手を伸ばす。





…が、


「闇天狗を潰してください」



…え?


崎沢は交換条件です、と
そう付け足す。




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