黒龍Ⅲ
「…お前…、まさか…」
辛うじて意識のある
ひとりの男が、
「…山口…、」
目を見開いてあたしを見る。
…その時、
「何の騒ぎだ…?」
100人を超える男たちが
あたしたちの周りに一斉に集まる。
そして、
怪我をして倒れている仲間を見て
「…お前がやったの…?」
真っ白な肌に、真っ白な髪。
女のあたしでも
綺麗と思ってしまうような
整っている顔。
そんなひとりの男が、
怒りを込めてあたしにそう聞く。