黒龍Ⅲ







「ふっ、ふたりともっ!

 僕のこと忘れないでよ~っ!」



伊織とあたしを見てそう言った凪は、
さっきよりも盛大に涙を流し始める。




そんな凪に


「泣いてばっかじゃ強くなれないよ」



そう言ってよしよしする伊織。




そして


その一言で泣き止み、
満面の笑みを見せる凪。










…っ、




そんな2人を見ていたら、






…ぽた…、


…ぽた…、…





「…え、麗…?」


「ど、どうしたのっ!?」




気づいたら頬を伝う温かいもの。




< 36 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop