黒龍Ⅲ
「…信じてないんじゃない、
あたしは誰も信じないって決めたの。
ごめんね。
あたしはもう、誰も信じないよ」
自然と出てきた言葉に
自分自身が一番びっくりする。
…あたし、いつの間にか
誰かを信じるのが怖くなってたんだ。
信じれば信じるほど
失うのが怖くて、
失った時の苦しみが大きい。
白のマニキュアを塗らなかったのも
黒龍のことが頭から離れなかったから。
"白龍"になるのが怖かった。
"鬼神組"になるのが辛かった。
まだ諦めきれてなかった。
あたしは、…黒龍でいたかった。