黒龍Ⅲ
今にも涙が溢れそうになるのを
我慢して、
「…今日まで
あたしについてきてくれてありがとう。
たった一ヶ月だけど、
すごく幸せだった」
ここまで言うと、
気づいたら頬を伝う涙。
「…最初は、
誰も信じないって。
信じるのが怖いって。
そう思いつけてた。
だけど、
あたしのアドバイスを
一生懸命実践してくれる姿に、
総長って笑顔で呼んでくれたり、
あんなに酷いこと言ったのに
気にする素振りも見せずに
頑張ってくれたり、
気づいたら
みんなのこと大好きになってた。
気づいたら
もう、みんなのこと信じてた」