黒龍Ⅲ
21:00
時間になった瞬間、
和やかだった空気が張り詰める。
そんな緊張を解くように、
「麗が特訓してくれたんだもん、
絶対大丈夫!」
いつものように
凪が笑顔を見せる。
「…大丈夫。
俺たちは頑張ってきた」
それに続く伊織。
そして、
「…今まで本当にありがとう。
みんなには
守りたいものがあるから。
だから大丈夫」
あたしも笑顔を作る。
その言葉を合図に、
あたしは闇天狗倉庫の扉を
ゆっくりと開いた。