黒龍Ⅲ
「…麗が、
本当に麗が智貴を撃ったのか…?」
力ない声でそう言った浩貴は
1ヶ月、まともに眠れていないらしく
身体的にも精神的にも疲れ切ってしまっていて。
「…それは、
俺たちには分からない…。
…ただ、
銃は、持ってた」
そんな浩貴の問いに
曖昧な答えしか返せない自分に
無償に腹が立つ。
こんな会話が
毎日のように繰り返されていた。
そして、
いつだって答えなんか出なくて
俺たちはどうしていいのか
分からずにいた。