黒龍Ⅲ
そんなある日、
「…俺、麗さんのこと探して来ます」
突然竜聖が立ち上がる。
「探すって、
手掛かりも何もないよ」
そんな竜聖を止めるのは悠さん。
「…ほっとけよ、
麗なんかもうどうでもいい」
そして、
少し怒ったようにそう言った浩貴。
「…っ!?
どうでもいいって、
どういうことですか」
浩貴の言葉に怒ったのは竜聖で。
「…俺たちのこと捨てたのはあいつだ。
俺たちの顔なんて
見たくないはずだよ。
…智貴のことは麗じゃないとしても、
もう1ヶ月も経つんだ!
心配してるなら会いに来るだろ!」
「…麗さんにだって
いろいろあるはずです!
きっと会いに来れない理由が
あるんです。
だから、
俺らが探さなきゃいけないんです」