黒龍Ⅲ
「…駿くん、ごめんね。
もう一度
あの日のこと、
説明してくれないかな?」
悠さんは、
悲しそうな笑顔で
俺にそうお願いする。
「…あの日は倉庫に居て。
近くで何か大きな音がしたから
来てみたら
麗と、倒れてる智貴、
…それから知らない男が立ってて。
俺たちを見た瞬間、
麗は持っていた銃を俺たちに向けた。
近づかないでって
そう言った麗の腕を掴んだら
鳩尾を殴られて。
そのまま男の居る車へ
乗って行った」
話し終えた俺にありがとう、と
そう言った悠さんは
「…まずは、
その"男"を調べよう。
麗は多分、
その男のもとに居る。
…そういえば、
救急車は誰が呼んだの?」
と、続ける。