黒龍Ⅲ






大切だった、
守りたかった、


竜聖や駿、遥たちに
合わす顔がないあたしは


もちろん学校には行かず、




今日もこうして
白龍倉庫に来ていた。





「おはよう、伊織」


笑顔を向ければ



「おはよう」


同じように笑顔を返してくれる。



そんなことが
当たり前になり、


今では

白色の小指を見るたびに
自然と頬が緩む。





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