黒龍Ⅲ
ボコッ
ガッ
ドサッ---…
襲いかかってくる男たちを
倒せば倒すほど
奪われていく体力。
「ッ、くそっ…」
小さく呟いたその瞬間、
頬に強い衝撃を受け
目の前が真っ暗になる。
ゆっくりと目を開くと
そこには真っ白な靴。
そこで初めて
自分が倒れていることに気づく。
その真っ白な靴を辿って行ったとき
「…っ---!?」
軽蔑したような
何の感情も持っていない、
そんな冷たい目で俺を見つめる麗。
…
「…う、らら…」
さっきよりも
小さく、小さく呟いた言葉。
聞こえるはずないと思っていたのに
俺の言葉に少しだけ、
本当に少しだけ顔をこわばらせた麗。