黒龍Ⅲ
…
そんな麗に
そっと手を伸ばす。
だけど、
麗はどんどん遠くなっていく。
静かに足を進める麗を見た瞬間、
もう二度と会えないような
そんな恐怖に襲われ
流れ出す涙。
そして、
…
「…仲間ってなんだよ…、」
涙と一緒に零れた言葉。
その言葉で歩みを止めた麗。
「…っ、
大切だって、
守りたいって、
全部っ、全部嘘だったのか!?
そんなの…
…っ、信じたくても
信じられねえよ…!!」
そう言って、
立ち上がろうとした俺に
また強い衝撃が走る。