黒龍Ⅲ
駿side
-駿side-
白龍との戦いに敗れたあの日から1週間。
俺たちはどうしていいか分からずにいた。
『あたしには関係ない』
麗の言葉が何度も繰り返される。
麗のことが分からない、
ただただそれだけだった。
…---
いつものように
智貴のもとへ来ていた俺たち。
「白龍です。お願いがあって来ました」
そこへ淡々とした表情で入ってきたのは、
白龍副総長と幹部の二人だった。
バッと勢いよく立ち上がった浩貴は、
「出てけ」
怒りのこもった言葉を二人にぶつける。
俺たち獣牙は動揺を隠しきれず、
竜聖と悠さんは平然を保っている。
「麗を助けて下さい」
浩貴の言葉を無視した白龍副総長は
そう言って頭を下げる。
「…助ける…?」
その言葉に反応した竜聖と
「どういうことか、
分かるように説明してくれない?」
竜聖に続く、悠さん。